実は何も目指してない?目標設定の落とし穴

「幸せになりたい!」という目標設定をしてしまうと、うまくいかない可能性が高いです。

むしろ、不幸になってしまうとも言えます。

なぜなら、すごく大きなもの、良いものを目指しているように見えて、実は何も目指していないかもしれないからです。

この記事では、日ごろNLP(神経言語プログラミング)という心理学の講座の中で、たくさんの目標設定の場面を見てきた立場から、目標設定で陥りがちな、なんだか美しく立派な言葉の罠と、そこに陥らないために大切なことを解説していきます。

目次

幸せになりたい!

まず「幸せになりたい!」という目標設定は、根本的に間違っています。

そもそも幸せとはどういう状態なのか?

その具体的な中身がないというのはもちろんですが、「なりたい!」という言葉を使ってしまう時点で、「今は幸せじゃない!」という現実を、自分に対して突き付けることになります。

そもそも「幸せ」というのは、なるものではなく感じるものです。

では「結婚したら!」「子供が出来たら!」「仕事で成功したら!」など、条件をクリアしたら感じられるかというと、そういうものでもありません。

今の現実に幸せを感じられないのだとしたら、何かをクリアしたとしても、また次の条件を探しに行ってしまうだけです。

なぜなら、不足にばかり目が向いてしまっていて、今あるものに喜びや満足を感じられない。
そういう思考回路が働いているからです。

つまり「幸せ」というものは、目標にするようなものではないということです。

これを目指し始めた時点で、不幸になってしまうと言ったのはそういう意味があります。

ただし、親の支配から抜けられない等、他人の干渉によって自分の自由な思考や行動が制限されてしまう環境にいるような場合は、目標設定以前の問題があります。
まずはその具体的な問題と向き合うことです。

成功したい!

もしこの目標が受講生の方から出てきたら…
まず「成功したい!」ではなく「成功する!」にしてください。
とお伝えします。

先ほどと似ていますが、「~になりたい!」「~したい!」は「今はそうではない!」の再確認です。
私たちの脳は、願いよりも、当たり前に信じていることを実現しようとする機能があります。

「~したいけど、今はそうではない」ということを自分に信じさせてしまったら、これからもずっと「~したいだけの人」が実現される可能性があります。

目標としての言葉は、自分に断言することが重要です。

そして次に大切なことは、成功とはどういう状態を指すのか?
例えば、事業での成功というのなら、売上規模なのか、事業規模なのか、利益なのか、もしくは年収なのか、数値で表せるものはその数値まで具体的に描くことです。

有名になることが成功だ!みたいな二重に抽象的なこともあり得ますね。
その場合も、有名とはどういう状態を指すのか?です。

インフルエンサーなら登録者何万人とか、数値で表すことも可能ですが、有名というのは他人に知られている状況を表しているため、自分ではコントロールできない部分があります。

そういう場合の目標は、有名という部分ではなく、「そうなるためにできる具体的なこと」に絞ることです。
これは売上何倍とかいう目標も同様で、買ってくれる人をコントロールすることはできません。

何倍という目標自体は悪くないのですが、そういう目標を立てる場合は…
広告費を何倍にするとか、営業ならアポイント数毎日プラス1など、そのために自分ができることも含めて、具体的な目標を立てましょう。

成長する!

「~したい!」を卒業して「~する!」にしてみました。

そしてここでもやはり、成長とはどういう状態を指しているのか?
何がどうなったら、自分は成長したと感じられるのか?
そこを具体的にすることです。

気を付けたいのは、「幸せになりたい!」というのと同様に、自分が自分をどう思うのか?で決まるところ。
こうでなければ成長したとは言えない!と、厳しいクリア条件を設定してしまうと、終わりのない挑戦を繰り返すことになります。

人間というのは、日々いろんな体験を通じて、少なからず成長しているものです。
老いていくこともまた、力を使わずに生きる方法を身に付けるという一つの成長の形だと私は思っています。

達成条件よりも、「こういう勉強をする」「この習慣を作る」など、具体的な経験を目標にすると分かりやすくなると思います。

自信を持つ!

ここまで読んでいただいたら、もうお分かりかと思いますが、自信を持っている状態とはどういう状態を言うのか?
何がどうなったら、自信があると感じられるのか?
そこを具体的にしましょう。

やっぱりありがちなのが、「これさえできれば!」という達成条件を設定してしまうことです。

自信というのは大きく2種類あって、ただ単に自分を信じられるという根拠のない自信と、何かを達成したことによる明確な根拠がある自信です。

多くの人は後者を目指そうとします。
だからどうしても達成条件が必須になってしまいます。

その場合は、数値化できるものはもちろん数値化して、そして大きな目標の場合は、そこにたどり着くまでの途中経過として、小さな目標を作っておくことです。

できれば簡単に達成できるような、毎日の小さな目標にまで落とし込むことができると、小さな自信を毎日積み重ねていくことができるようになります。

小さな達成なんかじゃ自信にならないと思う人もいますが、そういう人は自分の身の回りにいる、信用できる人を思い出してみてください。
その人たちは決して、自分にものすごいことをやってくれた人ではないはずです。

待ち合わせの時間に遅れない。小さな約束を忘れない。
そういう小さな信用を積み重ねている人ではないですか?

小さな成功でも、積み重ねていけば、それは信用になります。
そうやって、ただ、自分を信じられるという根拠のない自信が育っていくようになります。

自由になりたい!

あえて「なりたい!」に、戻したんですが…
自由というものは、「なる!」とも「なりたい!」とも違うものだと思っています。

幸せと同じく感じるものなのか?というと、似ていますが違う気がします。

そもそも、自由なのかどうなのかを考えること自体が、不自由なことだとも言えます。

もはや心理学ではない・・・哲学?禅問答?

不自由であることを感じてない状態。
そして自由かどうかということ自体を、全く考えることのない状態。
それが自由なのかなと。

何かしらのルールや束縛からの解放という意味でなら、目標にできなくもないですが、他人と共存している世界において、完全に自由になってしまうことはいいことなのか?とも思います。
これはあくまでも日本という、ある程度自由で安全な国を前提にして話しています。

ただ心理学の講座やセッションの中で「自分を縛り付けてしまう考え方や思い込みからの解放」という考え方であれば、目標として成立すると思います。

名詞化の落とし穴

ここまで、幸せ、成功、成長、自信、自由という目標設定の落とし穴と、気を付ける点を解説してきました。

こうした言葉は、一見、大きく素晴らしい目標に見えますが、誰が?どのようになっていくことなのか、実はその中身が空っぽだったりします。

こういう状態をNLPでは名詞化と呼びます。

名詞化が厄介なのは、自分では何かそれなりのものを目指しているように思えてしまうことです。
でも結局は、何からどうしていいかもわからず、何も行動を起こせなかったり、的外れな挑戦をひたすら繰り返したりすることになります。

目標を立てる時は、できる限り具体的かつ詳細に立てることを意識することです。

目標は自分ごとであること

もうひとつ、これは名詞化とは違うんですが、意外とよくある間違った目標設定として・・・

「子供を〇〇にしたい!」
「子供に〇〇させたい!」

といったものがあります。
将来の職業とか、そのために勉強させたいとかいうものです。

親心として思い続けることには何も問題はないんですが、これを自分の目標にしてしまうのは間違いです。
なぜなら、これを成し遂げることができるのは子供自身だからです。

こうした目標も、一見、親として当然の願いを持っているだけだと肯定的に受け止めがちなので、注意が必要です。

人間は、他人を意のままに操るということはできません。

わが子であれば、ある程度ルールや制限をすることはできるかもしれませんが、思い通りにしようとするのなら、それは支配になります。
心理学に関わる世界で生きる立場として、わが子であってもそこまで他人の人生に介入することには、問題があると考えています。
また、そこまでやってもなお、意のままになるとは限りません。

目標は、「自分の力で実現し得ること」でなければ、設定する意味がありません。

「子供に勉強させたい!」ではなく「子供に勉強を教える時間を作る!」とか、塾の送り迎えをするなど、親として関われることを目標にしましょう。

ワクワクできるのか?

目標は、具体的で、できる限り詳細に、そして他人ではなく自分で実現できるものであること。
その上でもう一つ、その目標が自分にとってワクワクできるものであるかどうか?

ここ揃えばベストです。

自分が楽しめるものでないと、続けることは難しくなります。

目標実現のために必須だと思うことばかり集めていると、そういった楽しむ視点を見落としがちになるので、気を付けたいものです。

書籍

『武士道×心理学:自分に還る7つのあり方』

「自分を変える」より「自分に還る」ための
「武士道の使い方」

著者:平野尚紀
ココロエ 代表
正しく、強く、人に譲り、迷惑をかけず…
日本人はただ生きているだけで、常に頑張り続けています。
しかし、その頑張りに気付くことなく、むしろ自己否定ばかりしている人が圧倒的に多いのはなぜなのか…
自己肯定も自信も、自由や幸福も、全てが既に自分の中にあるということに気付いてほしい。
そんな思いを持って、人生や自分自身と向き合おうとする皆さんと向き合っています。
NLP(神経言語プログラミング)や認知行動療法などの心理学とともに、武士道の7つの徳目(義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義)に基づいたオリジナルの心理スキルを活用するなど、日本人独特の心理にも向き合っていることが私たちの強みです。

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