あなたはどんな人間ですか?
あなたは自分のことをどんな人間だと思っていますか?
能力が高い人?要領の悪い人?ポジティブな人?ネガティブな人?
今思い浮かんだそのイメージを、心理学ではセルフイメージ(自己認識)と呼びます。
セルフイメージとは、人生におけるキャラ設定のようなもの、私たちはこのイメージに合わせて自分の人生のシナリオを描いています。
「何でもできる人」だと思えば、自分のやりたいことを思う存分に描くことができますが、「能力が低い人」だと思ってしまったら、それに合わせた環境や行動を選んでしまい、それなりにしか成長できないことになります。
そして残念なことに、私たち日本人は自己評価がかなり低い傾向があります。
その原因は、謙虚さや真面目さ、出過ぎないよう周りに合わせようとする心など、日本人独特の「武士道的な考え方」が強く影響していると考えています。
これは日本人の美徳であると同時に、私たちの能力を制限する力にもなっています。
「武士道×心理学」は、日本人独特の考え方を広げることで、自分の能力を十分に発揮できるようなセルフイメージを形成するためのフレームワークです。
武士道×心理学とは
「武士道×心理学」とは、武士道の7つの徳目「義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義」を現代の自己成長と目標達成、人生の問題解決に活用するための独自のフレームワークです。
心理学は西洋で生まれ、発展してきたため、その考え方や実践メソッドは、日本人にとって頭では理解できても心の奥でしっくりこない、あるいは行動に移すのが難しいと感じることがしばしばあります。
私たちは、武士道の考え方の仕組みをそのままに活かし、現代心理学の解釈を広げることで、日本人特有の感性にフィットし、現代でもパワフルに機能するフレームワークを開発しました。
このフレームワークは、自分と向き合うためのセルフカウンセリングやセルフコーチングとしてはもちろん、対人でのカウンセリングやコーチングとしても活用することができます。
武士道×心理学の前提
武士道×心理学では、以下のような考え方を前提としています。
- 人生100年時代を生きるための心の強さとは、心の柔らかさである。
- 逃げるというのは次のチャンスを掴むための前向きな決断である。
- 自分を大切にできる人が、本当の意味で人を大切にすることができる。
- 心は所作に表れる、その心は所作によって作られる。
- 自己信頼は自分との約束を果たすことで作られる。
- 人からの評価は参考意見。自分の基準で自分を評価する。
- 意志の強さよりも意図を明確にする。
徳目とは
武士道の徳目とは、目指すべき美徳をリスト化したものですが、「武士道×心理学」では、これを現代の自己変革のための「7つの心理的機能」として再定義し、自分と向き合うためのフレームにしています。
- 義
-
打算や損得を超えた人としての正しい道。
- 勇
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正しいと信じることを実行すること。
- 仁
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他者への優しさ、寛容さ、思いやり。
- 礼
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相手を思いやる心を所作で表す。
- 誠
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嘘やいつわりのない姿勢。
- 名誉
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自分に恥じない生き方。
- 忠義
-
真心を込めて尽くすこと。
これらの徳目を実践しようとすると、以下のような力が不可欠になりますが、これらは私たちげ生きていく上で、非常に重要なものばかりです。
- 義
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判断力、決断力を育てる。
- 勇
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行動力を高める。
- 仁
-
受容力。人を受け入れる力を育てる。
- 礼
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継続力。どう振舞うのか?
- 誠
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自己信頼。自分を信じること。
- 名誉
-
自己承認。自分を認めること。
- 忠義
-
貢献力。自分以外のために。
こうした力を育てていくために「武士道×心理学」では、本来の意味をリフレーミングすることで再解釈し、自分と向き合うためのフレームにしています。
- 義
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自分は何を信じたいのか?
- 勇
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信じたことを実行できるか?
- 仁
-
そのことによる周りへの影響は?
- 礼
-
どう振る舞えば実現できるか?
- 誠
-
自分とどんな約束をするか?
- 名誉
-
何を恥だと感じるのか?
- 忠義
-
何のためか?誰のためか?
フレームワーク
武士道の7つの徳目は、それぞれが単体ではなく、1つの連動したシステムのように繋がっています。
武士道とは元々、武士たちが理想の武士になるために必要だと考えた、判断や行動の基準です。
つまり、このシステムに合わせることができれば、理想とする自分に近づいていくことができるということを示しています。
中心にあるのが「義」、正しいことです。

正しいと信じるからこそ、次のような実行と姿勢が必要になります。
- 実行する=勇
- 思いやる=仁
- 思いを行動で示す=礼
- 正々堂々=誠
- 恥を知る=名誉
- 貢献する=忠義
ただしその何が正しいかを判断するためには、他者への優しさや思いやりという仁の心が不可欠です。
逆に、他人の正しいばかりを優先してしまうと、自分の本心に嘘を付くことになり、誠に反することになったり、他者へ貢献するという忠義が、ただの自己犠牲になってしまうこともあります。
また何を恥じるかという名誉において、失敗を恥だと考えてしまうと、行動を起こせなくなり、勇に反することになります。
このように、徳目のフレームフレームワークに当てはめることで、今何が必要で、どの部分がズレているのかが見えてくるようになります。
本当の自分を知る
人生の問題は、能力やスキルの不足ではなく、多くの場合、セルフイメージによって引き起こされます。
誰もが夢や目標を実現する力は既に持っています。
ただその能力を発揮させないブレーキが働いてしまっているだけです。
このフレームワークは、今の自分を大きく変えようとするのではなく、既に持っている力を見つけるためのもの。
謙虚で驕らない姿が美しいのは、その土台に確固たる自信があってこそです。
さあ、あなたの中にもある「武士道」を起動させ、理想とする自分に近づくための旅を始めましょう。
